+ small a wish +



不二が学校を休んだ
朝不二から英二にメールが来た
遅れそうだから先に行って、ごめんね
たった一行の文だった
不二が遅れるなんて珍しいな・・・
そうも思ったが自分も遅れそうだったので考えは後回しになった


だがホームルームが始まっても1時間目が始まっても不二は来なかった
竜崎先生にも詳しい連絡を入れていないと聞き心配になり英二はお見舞いに行くことにした



不二家
インターホンを押すとすぐに不二の姉由美子が出た


「英二君!ちょうどよかった、今から仕事なのそれに母さんも旅行に行っちゃって・・周助のことお願いね!!」


嵐のような早さでしゃべったかと思うと早くも車に乗り込み走り去ってしまう
英二は呆気にとられながらも家に入ると目の前には・・・・









「乾に作ってもらった薬を試しに飲んだんだ」

「そしたら・・・そんなちっこくなったんだ」

英二は早速不二の部屋でなぜ3歳位の姿になっているかを問い詰めた
理由は英二に飲ませる前に安全か確かめたかったから
あまりにも呆れてしまい英二はなにも言えなかった

(なら、飲ませようとしなければいいのに)

そんなとこを思ったのは内緒だ
サラサラした髪と白い肌は変わっていないけど笑顔がどこか幼い


「英二にお兄ちゃんって言われてみたかったんだ」


英二は弟がいるだろうというツッコミを何とか飲み込んだ

言ったら何をされるか分かったものではない


「じゃあ・・・俺が兄ちゃんになっちゃる!」


五人兄弟の一番下である英二は弟がいる不二が羨ましかった
しかし今不二はちょうど3歳
自分に飲ませようとしていたからちょっとしたお仕置きも兼ねているし、いつもされてばかりではなく仕返しようとも考えていた


「へぇ・・・英二が僕の兄さんになるの」


突然不二がクスクス笑い出す


「なっ・・・なんだよ」


何となくイヤな予感がした


「じゃあたくさんわがまま聞いてもらわなきゃね?」


たくさんのわがままの意味が分かったのはもうしばらく後だった









午後6時
不二家に一本の電話が来た


「はい、不二です」


受話器に手が届かないからと不二は英二に電話をとって欲しいとたのんだ
電話をかけてきた相手は職場にいる由美子からだった


「あら、英二君?周助まだ戻ってないの?」

「はい。それよりどうしたんですか?」

「今日は帰れそうにないの周助お願いできるかしら」


なんだそんなことかと英二は二つ返事で引き受けた
由美子からの電話を切ると不二が誰から?と聞いた


「由美子姉から。今日は帰れないって」

「そう。ねぇ英二「兄ちゃん!」


徹底的に英二は兄になることを決めたようで呼び方までにこだわっている


「じゃあ兄さん。僕お腹空いちゃったんだけど、ご飯作ってくれる?」


ニッコリと微笑みかけられて英二は思わずどきっとした

(俺って・・・変なのかな。ちっちゃい不二にまでドキドキするなんて)

そう考えると恥ずかしくなったが、お腹をすかせている弟のために英二は腕をふるった

メニューはもちろんフワフワオムレツ

不二もおいしいと満足してくれたようだった







8時をすぎた頃


「兄さんもちろん一緒にお風呂に入るよね」


と不二が言い出す


「ダメ!不二絶対になんかしてくるじゃん!」


英二は即答する

事後に必ず不二と英二は一緒に入っていたがなにかしら理由を付けていろいろとされていた
そして、一度もいいことがあったためしがない
小さくなったのは身体だけであって思考やふるまいは全く変わらないことを英二は敏感に感じ取っていた


「3歳のとき兄さんは1人でお風呂に入ってたの?それにこの身長だと色々危険なの知ってるよね。事故なんか起きたら全部兄さんのせいになるんだよ?」


確かに3歳の時は1人でお風呂なんか入らなかったし入れなかった
それに不二が事故に遭うと考えると放っておけない
不二が言っていることは間違いなく正論だった
もしかしたら何もされないかもしれない

英二はそう信じて不二と一緒にお風呂にはいることを決意した


「わかった。不二になんかあったら大変だしね」
「ありがとう、兄さん」


またドキドキした


「でも、俺が頼んだら絶対に言うこと聞いてな?」

「もちろん」


この条件で英二は不二と一緒に入ることにした




もちろん、その約束を上手く利用されて英二が大変な目にあったのは言うまでもない
数時間後、ぐったりした英二が脱衣所から戻ってくる






「バカ不二」

「英二もう1回さっきみたいなことされたい?」


小さく呟いた英二の言葉を聞き取った不二はニッコリと笑う
うっ・・・と英二は顔を真っ赤にして俯く
よほど恥ずかしかったのかしばらく英二は顔を上げなかった
不二は小さく笑うと英二の手を引いて2階の自分の部屋に向かう


「英二?まだ恥ずかしがってるの?」


部屋に入っても黙ったままの英二
さすがに心配になって不二が顔を覗き込むと


「Zzz・・・にゃ?」


寝ていたようだ

不二は英二を布団に寝かせると腕の中に入り
自分もゆっくりと目を閉じた


明日はこのクスリを英二に飲ませてみよう



そんな僕の小さな願いは叶うかな?










++++++++後書き++++++++
最後がぐだぐだort
まぁ明日は不二と英二2人そろって休みですね〜
朝起きたら今度は英二が縮んでいますよw
そして不二はお兄ちゃんと呼ばせて
仕事帰りの由美子姉さん、旅行から帰ってきたお母さんも混ぜて
ノリノリで英二の着せ替えして欲しいv
着ぐるみとかスカートとかv(殴

遅くなってすみませんでした(アワアワ



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